『裁判員制度』の実害─判決拒否の薦め

『裁判員制度』の実害 裁判員制度がまもなく始まりますが、その法律の内容を、つまりどのようなシステムなのかをよく知らないで、司法への市民参加は必要だという理由から制度に賛成している人は多いと思います。法律の内容は酷いものなのですが、そのなかで…

お笑いニッポン!

先日、別のブログへのコメントで「豚インフルの問題をなんでスルーするんだ!」というお叱りをいただきましたが、今までインフルエンザ差別というものがあるとは思っていなかったのであえて取り上げませんでした。しかし本当にインフルエンザ差別が、しかも病…

「裁判員制度」凍結、見直しにむけた「12の論点」

4月28日、超党派「裁判員制度を問い直す議員連盟」による、問題提起です。長いですが、裁判員制度がいかに杜撰なものかが分かりますので、目を通してみてください。 http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/21929301bf51872669470a5abd17bbeb 「裁判員制度…

林被告に死刑判決 地に落ちた最高裁の権威

これが本当に三権の一翼を担う最高裁の見識なのかと、耳を疑うような内容の判決文だった。林被告が、保険金詐欺目的で夫や知人にヒ素や睡眠薬を飲ませていたとされる別件の疑惑が、無差別殺人の可能性が高いこの事件の状況証拠とされているのだ。 常識的に考…

ニホンジンの差別感情 ハリセンボン騒動から

ニホンジンは、不思議な差別意識を持っている。 普通、人種や宗教に関る差別にはいつも、非倫理的といううしろめたさが付き纏い、そして被差別者にとっては、そのことと戦うことが、生き抜く上でのアイディンティティーとなったりもする。 しかし、ニホンの…

新たな「肺結核差別」の始まり

ここ数日の北朝鮮ミサイル問題の報道にいらいらしていたのですが (なんで東京にまで迎撃ミサイルを配置しなければならないのか? 完 全に自民党が国民の不安を煽ってますよ)、 昨日今日の、吉本のタレントの肺結核騒動にはついに切れてしまって、東京都の…

「死刑」について その3 バダンテールの演説から

70パーセントの人が死刑存続を求める中、仏法務大臣バダンテールによる死刑廃止法案審議時の演説の一部から。 「司法の現実の中では、死刑とは何でしょうか。12人の男女の陪審員。2日間の審問。事件にまつわることがらの奥底まで触れることは不可能。そし…

「死刑」について その2

凶悪」さ、というのは当然のことだが、絶対的な基準はなく、相対的なものだ。 光市事件や、闇サイト殺人事件がそれまでの殺人事件と比べて、どれほど凶悪かということは、その時々の社会心理に寄るとことが大きい。 かつて、永山事件で東京高裁で示された、…

「死刑」についてその1

フランス革命では、恐怖政治と呼ばれる時代、短期間に2800名を超える、「反革命分子」がギロチンによって処刑された。 興味深いのは、その数の多ささよりも、ほとんどの受刑者が、うろたえることなく静かに死んで行ったという異常さだ。 でも、考えてみ…

「死」についての難題

あまり裁判や、死刑問題とは関係ありませんが、ずっと以前に「死」の問題について書いたものがあったので、再掲載します。【M】「長い時間車に乗る時、たまに放送大学とかを聴くことがあるのだが、先日、心理学者だか脳神経外科の医師だったかが、おもしろ…

被害者感情について─「闇サイト殺人事件」から

死刑を言い渡す側の心理の問題として、「信仰」できる対象の有無が大きな問題となるということを以前書き込みましたがhttp://moritakuto.exblog.jp/7724003/、被害者遺族にとっての、「死刑」にも大きな問題があると思います。 短期的には、「殺してしまう」…

死刑制度下のニホンジンの心理

一昨日の書き込みに対して、コメントが寄せられましたので照会し、反論します。 >「私も、基本的には、その考え方です。 だた、そのような考えの全く通用しない殺人を繰り返す人もいる。 そんな人が釈放され、自分や家族の生活圏に存在すると思うと。。。」…

追記 人間に許される行為の限界

自然な感情を、倫理の名の下にコントールすること。これは近代社会には不可欠なことだ。例えば司法でも同じで、泣き叫び悲しむ遺族を横目で見つつ、殺してしまいたい感情と遺族への同情を抑えつつ、なぜこの男が凶悪な殺人に及んだかを追求し、社会正義とは…

批判コメントから ─「土人」の感情

最近、裁判員制度問題、死刑制度問題、光市母子殺人事件判決に視られる不可解な裁判等について書くことが多かったのですが、いくつかの不可解なコメント(二つのブログにまたがっています)をいただいたので、一部紹介しつつあらためてニホン人の「司法」感…

乱発される「死刑求刑」の意味

わずか一ヶ月前、NHK『日本のこれから-裁判員制度』の前半のドキュメンタリーでは、殺意をもって二人の人を殺した犯人に対し、「死刑」判決を出すかどうかが焦点となっていた。しかしここ一週間ほどの間に、一人の女性を殺した男と、3人で一人の女性を殺…

オバマに託す「アメリカンアイディンティティー」

「太古の闇」を持たない民族は、いつも強迫観念にかられる。アメリカは泳ぎ続けなければ死んでしまう「サメ」のようだ。常に災いの種を蒔き、常に正義の名の下に自らそれを摘み取ってきた。黒人を大統領に選んだ窮地アメリカの「本気」は、オバマに何を求め…

星島貴徳容疑者の死生観

東城瑠理香さんを殺害しバラバラにして捨てた、星島貴徳容疑者は、公判中に突然、「私は絶対に死刑です!」と叫んだ。自分ならどんな女性でも性的奴隷にできると考える妄想癖の男がイメージする「死」とはどんなものなのだろうか。監禁、暴行罪で済むところ…

 夏目漱石は何故暗いのか

さらに追記として─水村美苗著『日本語が亡びるとき』 には、あえて取り上げられていない問題がある。 それは、なぜ日本語が、かな・漢字・カタカナを取り混ぜたものとなったのか?ということだ。 あまり認識されることはないが、この問題は実は、ニホンジン…

国吉康雄のモダニズム

─追記として 頻繁に風景画のモチーフとされる 『わかれ道』でも、それが二手に分かれる道であれば、たとえそれがいずれの道も悲しみに包まれたものであったとしても、「未知というロマンス」を内在させた風景となる。 しかしそれが、一本に収束する道であれ…

水村美苗著 『日本語が亡びるとき─英語の世紀の中で』

水村美苗著 『日本語が亡びるとき─英語の世紀の中で』 について 水村美苗の 『日本語が滅びる時』 は、ものすごく暗い書物です。 中心は、英語という普遍語に蹂躙されようとする、「日本語が滅びる時」に接している、文学者としての悲しみの吐露です。 しか…

「上意下達」の裁判員制度

行政主導による、参審制の導入は本来的に可能なのだろうか。司法を味方とするべく、「民意」が、立法府を動かし、その意向を受けた行政府がそのシステムを作るのだと、文字通りに考えるならば、日本の裁判員制度は、それとは逆に、「上」から降りてきたとい…

 「光市母子殺人事件」の恐怖

光市母子殺人事件被告の少年(当時18歳)は、ほとんどの人の印象では、「凶悪な殺人者」なのだろう。いたいけな母親を馬乗りになり首を絞め殺害し、泣き叫ぶ乳児を床に叩き付け殺害したと。 しかし実際はそうではない。遺体には、首を絞められた痕跡も、叩…

スケープゴードとしての犯罪者

古くから「法華信者」という一団がいる。この信者達の最大の特徴は、日本には珍しく、ポジティブな考えをもっていて、他の宗派のように、極楽浄土は「あの世」にではなく、この世に成就させなければいけないという考えを持つ。だから日本で今、布教活動をし…

「2960」 劇場型報復裁判と裁判員制度

闇サイトで繋がった3人の男が、金銭目的のために一人の女性を殺した。名古屋地裁で始まった公判では、検察側は法廷の大型画面に、被害者利恵さんの誕生直後から社会人になるまでの写真を映しながら、親一人子一人だった母親に質問する。 「主人に申し訳ない…

 裁判員の苦悩

昨日、テレビをつけたら、黒人霊歌 『誰も知らない私の悩み』 が流れていた。 この有名な霊歌の最初の歌詞、 ─私の悩みは誰も知らない、イエス様だけが知っている─ 公判を終え、評議に入る裁判員達は、最初に「宣誓」をする。 しかし宗教を持たないわれわれ…

「日本のこれから 裁判員制度」 に参加して

「NHKスペシャル─あなたは死刑を言いわたせますか」より 金もなく仕事も無い男が、強盗にではなく、泥棒にはいる。そこで運悪く見つかってしまった夫婦を刺し殺してしまう。そして死刑判決。 ふたりの人間を殺意を持って殺せば一律「死刑」になるというこ…

映画 『評決のとき』 から「裁判員制度」を考える

1996年アメリカ映画、『評決のとき』 について ミシシッピーのある町で、黒人の少女二人が、白人二人に強姦され、子供が生めない体にされてしまう。 怒りに燃えた少女の父親は、その白人二人を射殺し、止めようとした警官にも重症を負わせる。 黒人差別…

愚劣!「被害者参加制度」

犯罪被害者や遺族が加害者の刑事裁判で被告人質問したり、求刑意見を述べたりする被害者参加制度が12月1日、改正刑事訴訟法の施行に伴いスタートするそうです。しかしとんでもないことを行政は考えるもんですね。被害者は、そうとう複雑な立場に立たされ…

「裁判員制度」を延期させるには

このところずっと書き込みが出来なかった理由は、仕事が一年で一番忙しい時期に突入してしまったことと、にもかかわらず、mixi で裁判員制度是非の論戦にはまってしまったことです。 裁判員制度は来年5月に始まりますが、多くの人がご存知のように、その内…

 日本プロ野球の終末

どうして、メジャーリーグの野球場は、イビツな形をしているのか? どうしてアメリカンリーグの西部地区だけ他の地区より球団数が少ないのか? どうして地区優勝できずにワイルドカードで勝ち上がっただけのチームであっても、あんなに天真爛漫にワールドシ…