2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

乱発される「死刑求刑」の意味

わずか一ヶ月前、NHK『日本のこれから-裁判員制度』の前半のドキュメンタリーでは、殺意をもって二人の人を殺した犯人に対し、「死刑」判決を出すかどうかが焦点となっていた。しかしここ一週間ほどの間に、一人の女性を殺した男と、3人で一人の女性を殺…

オバマに託す「アメリカンアイディンティティー」

「太古の闇」を持たない民族は、いつも強迫観念にかられる。アメリカは泳ぎ続けなければ死んでしまう「サメ」のようだ。常に災いの種を蒔き、常に正義の名の下に自らそれを摘み取ってきた。黒人を大統領に選んだ窮地アメリカの「本気」は、オバマに何を求め…

星島貴徳容疑者の死生観

東城瑠理香さんを殺害しバラバラにして捨てた、星島貴徳容疑者は、公判中に突然、「私は絶対に死刑です!」と叫んだ。自分ならどんな女性でも性的奴隷にできると考える妄想癖の男がイメージする「死」とはどんなものなのだろうか。監禁、暴行罪で済むところ…

 夏目漱石は何故暗いのか

さらに追記として─水村美苗著『日本語が亡びるとき』 には、あえて取り上げられていない問題がある。 それは、なぜ日本語が、かな・漢字・カタカナを取り混ぜたものとなったのか?ということだ。 あまり認識されることはないが、この問題は実は、ニホンジン…

国吉康雄のモダニズム

─追記として 頻繁に風景画のモチーフとされる 『わかれ道』でも、それが二手に分かれる道であれば、たとえそれがいずれの道も悲しみに包まれたものであったとしても、「未知というロマンス」を内在させた風景となる。 しかしそれが、一本に収束する道であれ…

水村美苗著 『日本語が亡びるとき─英語の世紀の中で』

水村美苗著 『日本語が亡びるとき─英語の世紀の中で』 について 水村美苗の 『日本語が滅びる時』 は、ものすごく暗い書物です。 中心は、英語という普遍語に蹂躙されようとする、「日本語が滅びる時」に接している、文学者としての悲しみの吐露です。 しか…