2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

●;『ファスト風土化する日本…郊外化とその病理』(洋泉社)

●;6月の「わいがや;②」は、 ▽外部ゲストは、池田光一さん…東山出版/荻原涼さん…岩波書店/Editor/鈴木謙一さん…しるく舎/Editor&ライター/倉内慎哉さん…日新報道/森利行さん…(有)アトリエあい…空間デザイナー/(遅れて参加は、文元美佐緒さん…プル…

「廃墟」

おそらく、洋の東西の差によって、「廃墟」という概念はかなり違っているのではないかと思う。先日、現代美術の作家で、ロンドンに留学していた友人と会ったのだが、彼によれば、ヨーロッパの作家たちは、「廃墟」を背負っているという。 例えばヨーロッパの…

中田の涙

ブラジル戦に完敗したあと、中田はグランドの真ん中で仰向けに倒れたまま泣いていた。戦いに敗れて涙を流すという風景はありふれたものだが、この時の中田の涙は、そのようなありふれた涙ではなかったような気がする。スイスに敗れた韓国代表が流した涙はあ…

BSE牛肉輸入再開とC型肝炎訴訟

今朝のテレビで、元蔵相の浜爺が、日米の貿易問題がギクシャクしている状況では、輸入再開はしかたないみたいなニュアンスのことを言っていたが、まったく日本人らしい発想だ(韓国政府の対応と対比すると面白い)。これは、30年前に犯した、というか無作…

「Air on the Steelpan」

もう遅いですが、これから始まるブラジル戦に敗れた時に、落ち込んだこころを癒してくれるぜったいお勧めのCDを先日見つけました。スチールドラムだけでサティーとバッハの小品を演奏した「Air on the Steelpan」。あっけらかんとしてちょっとくぐもった感じ…

無期懲役か死刑か

日本の司法で一番不思議なのは、終身刑がないところだ。無期懲役と死刑の落差が大きすぎることは誰でも感じることだが、長年それを埋めようという議論は全くないようだ。提言はあっても議論の俎上には乗らないのだ。二十歳そこそこで殺人を犯しても、四十に…

「日本サッカーの弱点」ーその弐

日本サッカーの弱点をもう一つ。 ヨーロッパや南米の国々がなぜあそこまで熱狂してしまうのか? サッカーを単なるスポーツと考えるべきではないというのは当然として、もう一つ重要なことは、サッカーが、彼らにとって「どの民族が、神様に一番愛されている…

「日本サッカーの弱点」ーその壱

去年だったか一昨年だったかに、川渕三郎キャプテンがFIFAの総会に招かれ演説した。その時、今後の日本サッカーの強化方針を示したあと「我々日本サッカーは、50年後のワールドカップ優勝を目指す」と締めくくって拍手喝采を受けたそうだ。その話を聞…

「貧清思想」のここちよさー2

「無印良品」などの生活雑貨、化粧品ブースなどのデザインに、個性やオリジナリティーが必要とされなくなったということを書いたが、ほぼ1990年を境に、現代美術の領域でも大きな変化が顕れている。ポストモダンと呼ばれた80年代は、「表現」の時代だ…

「貧清思想」のここちよさ

「貧清思想」には独特のここちよさがある。プロテスタンティズム、わびさび、さまざまな原理主義から、過剰な健康管理、ダイエットまで、自分を清く正しい姿に変えようとする過程には陶酔感さえ感じるものだ。僕は、日本社会全体が、そのような貧清思想に浸…

●;三浦展『下流社会』を巡って(1)

【下流社会「上」が15%、「中」が45%「下」が40%時代がやって来る!】 ●;今回の「わいがや;②」で、取り上げたのは、マーケティングアナリスト・三浦展のベストセラー『下流社会』(光文社新書)。本では2種類の「下流現象」の問題が示されていて、一つが、…