●;『ファスト風土化する日本…郊外化とその病理』(洋泉社)

●;6月の「わいがや;②」は、
▽外部ゲストは、池田光一さん…東山出版/荻原涼さん…岩波書店/Editor/鈴木謙一さん…しるく舎/Editor&ライター/倉内慎哉さん…日新報道/森利行さん…(有)アトリエあい…空間デザイナー/(遅れて参加は、文元美佐緒さん…プルデンシャル生保勤務/村上和巳さん(戦争ジャーナリスト)
▽;CCG側…鈴木震、高岡武志の面々。
●;今月の「テーマ」は、前回、論じあった『下流社会』(光文社新書)の著者・三浦展氏の第一作『ファスト風土化する日本』(洋泉社新書)を媒介に《廃墟…もしくは郊外都市について》を論じた。
●;議論を興すモチーフは、
【都市の中の廃墟は(少年たち)に限らずその<異界的な存在>が「謎」を持っているようで魅力的なのだが、「廃墟」が<喪われし故郷>のノスタルジー対象になっているかの話ではなく、かの六本木ヒルズもまた(近々)‘廃墟’になるように(しか見えない…「六本木ヒルズ」というバカでかい建物が、六本木界隈の風景(に限らず、ヒトの通りや地域住民の生活や地域の歴史意識)を根こそぎ<近代>のフレームに入れようする入れ物だから、と、ごく当たり前の感想が生まれる。
一方、「郊外都市がファスト風土化」している例は、枚挙に暇がない】。(ゴミ屋敷に限らず)続々と廃墟を産み出す現代都市の現象を「単なる病理」として捉えるのではなく「別の視点がないか」であった。
●;いくつかの興味深い発言を録すると、
【郊外都市がファスト風土化とは別に、都心もまたそういっファスト風土化、郊外都市化している】
【郊外都市の始まりは?】…「小林一三田園都市」というカテゴリの誕生(田園調布→)→中心都市から私鉄沿線上に同心円的に拡がった60年代〜に各地で郊外都市が生まれたが、
その荒廃/空虚化は、文化の問題だけではなく、ヒト、モノの流れ=経済の問題が「大」。60年代〜「消費の拡大」に伴って「土地資本主義」の日本の都市は、少ない土地に「都市の拡大」を行い続け「郊外都市」を生みだしていった。
●;「郊外都市(ロードサイドも含め)の廃墟化」は、フランシス・フクヤマが言うように「歴史の終わりの始まり」ではないか。「都市のスクラップ&ビルド化」(繰り返し)が同じような風景を林立させていく。
●;【<戦争>や<革命>による大きな権力の登場以外に「終わりなき日常」下では(宮台真司)、「都市計画の成立の不可能性に見舞われている…といってもいい】【T】