林被告に死刑判決 地に落ちた最高裁の権威
これが本当に三権の一翼を担う最高裁の見識なのかと、耳を疑うような内容の判決文だった。林被告が、保険金詐欺目的で夫や知人にヒ素や睡眠薬を飲ませていたとされる別件の疑惑が、無差別殺人の可能性が高いこの事件の状況証拠とされているのだ。
常識的に考えても、類似事件だというのであれば、殺人の動機が不明のままでいいはずがない。重要なのは、砒素という「道具」ではなく、その動機でなければならないはずではないか。最高裁の言う類似事件は、明らかな金銭目的だったのだ。巧妙な詐欺事件と場当たり的とも思える無差別殺人事件のどこが類似しているというのだ!?
まるで性格の違う事件が、同じ砒素を用いていたというだけで、殺人事件の状況証拠となるなどという屁理屈をよくも堂々と判決文に書けるものだ。【M】