小沢一郎問題の意味

ccg2010-01-18

国会の力が弱くなると、役人の力が強くなることは必然でしょう。今、日本で一番力を持っているのは、官僚です。もっと言えば、戦後70年のなかで、ひょっとしたら現在、最も強固な中央集権が確立されてしまっているかもしれません。
 これは明らかに、長期間政権にあった、自民党とそれを支持した国民の責任でです。自民党の堕落をカモフラージュしたのが行政機構であり、官僚はその見返りとして過剰な自己保身のための法整備をさせてもらってきました。例えば、過去最大になってしまった来年度予算は、そのような、国会と行政機構との癒着によってがんじがらめにされしまった既定予算にさらに上乗せして、民主党独自の政策を実行せざるをえなくなっているからです。

 さらに大きな問題があります。それは、衆議院選前後から始まった、国会議員の政治資金規正法違反の取締りに象徴されるように、行政機構の中でも、検察権力の力が増大していることです。周知のように日本では、裁判制度は後進国並であって、犯罪取調べは密室で行われるため、犯罪の「本質」は、裁判所と癒着した検察にしか判らないようになっています。せっかく導入した裁判員制度も、軽犯罪には適用されないため、公平な裁判は望むべくもありません。そのような形で、検察つまり行政府は、立法府に脅しをかけていると考えなければならないと思います。小沢一郎問題には、小沢自身の責任問題と、行政の思惑という二つの側面があることを認識しておく必要があると思います。

 したがって、民主党の「脱」官僚政策は、現在、「絵に描いた餅」にならざるを得ないというのが実情でしょう。そのようななかでわれわれに出来ることは、しばらくの間は、つまり自民党と行政が作った歪んだ国家体質を変革できるまでは我慢して、民主党脱官僚政策を支持することであり、そのことで行政にプレッシャーをかけ続けることしかないと思います。【M】


 国会の力が弱くなると、役人の力が強くなることは必然でしょう。今、日本で一番力を持っているのは、官僚です。もっと言えば、戦後70年のなかで、ひょっとしたら現在、最も強固な中央集権が確立されてしまっているかもしれません。これは明らかに、長期間政権にあった、自民党とそれを支持した国民の責任です。例えば、過去最大になってしまった来年度予算は、そのような、国会と行政機構との癒着によってがんじがらめにされしまった既定予算にさらに上乗せして、民主党独自の政策を実行せざるをえないからです。

 さらに大きな問題があります。それは、衆議院選前後から始まった、国会議員の政治資金規正法違反の取締りに象徴されるように、行政機構の中でも、検察権力の力が増大していることです。周知のように日本では、裁判制度は後進国並であって、犯罪取調べは密室で行われるため、犯罪の「本質」は、裁判所と癒着した検察にしか判らないようになっています。せっかく導入した裁判員制度も、軽犯罪には適用されないため、公平な裁判は望むべくもありません。そのような形で、検察つまり行政府は、立法府に脅しをかけていると考えなければならないと思います。小沢一郎問題には、小沢自身の責任問題と、行政の思惑という二つの側面があることを認識しておく必要があると思います。

 したがって、民主党の「脱」官僚政策は、現在、「絵に描いた餅」にならざるを得ないというのが実情でしょう。そのようななかでわれわれに出来ることは、しばらくの間は、つまり自民党と行政が作った歪んだ国家体質を変革できるまでは我慢して、民主党脱官僚政策を支持することであり、そのことで行政にプレッシャーをかけ続けることしかないと思います。【M】