門前の小僧「サッカー」を語る

ccg2008-09-09

ラグビーボールが楕円形をしていることと、サッカーが足でボールを扱う競技であることは、あえて「思い通りに事が運ばない」ようなルールにしているという意味で、同じ種類に属する、特殊なスポーツです。

 よく知られたことですが、サッカーの発祥と、ラグビーの発祥は同じイングランドの「神事」で、町が二手に分かれて、大勢でボールを奪い合うというものでした。日本でいう、裸祭りのようなものです。しかしあまりの加熱振りに恐れをなした支配者が、それをルールを定めたスポーツへと純化することでガス抜きをさせようとしたわけです。それがサッカーであり、ラグビーです。
 そして、この二つの競技が特殊だと書いたのは、「神事」だったことの名残がいまだに残っているからです。それが、「思い通りに事が運ばない」こと、つまり、「運」に左右される競技であることに象徴されています。 つまり、単に技術を競うだけではなく、「幸運」にも恵まれなければ勝利が得られないルールになっているわけです。
 

 日本サッカーがボールを支配しつつも、勝てない、シュートが打てないのは、サッカーがもともと「思い通りに事が運ばない」スポーツであることを、努力すれば思い通りに事が運ぶスポーツであると勘違いしているからです。 あるいは、どんなスポーツにもある、「運」「不運」と同等に解釈しているからです。 
 へんなことを言うようですが、ストライカーが躊躇なくシュートが打てるのは、一緒に努力し、練習してきた仲間に託された、涙のスルーパスからではなく、自分の努力を認めてくれた「神」からプレゼントされた、幸運のスルーパスなんです。【M】