英語おんちの『ノーベル賞』 益川敏英博士の場合

ccg2008-10-10

 ノーベル賞受賞者が一気に4人も出たことはサプライズだが、しかし僕にとっての最大のサプライズは、受賞者の一人、益川敏英博士がまったく英語ができない!ということだ。 もちろんそれは、英語コンプレックスの人に朗報だとか、もう英会話は必要ないとかではなく、ノーベル文学賞や平和賞ではない、物理学賞が、なんと日本語というローカル言語で思考し研究することができるのだ! という驚きだ。

 前々回の投稿と重なってしまいますが、英仏独など主要言語以外の世界のローカル言語の中で、最先端物理学を、研究者が母国語で勉強できるなんていうのは、おそらく日本語だけでしょう。 ニホンジン以外の全ての研究者は、主要言語を母国語として生まれてこないかぎり、どうしてもバイリンガルにならなければならず、そうしなければ専門書を読むことすらできないわけです。日本語のポテンシャルはすごく高いのです。

 民族主義思想に乏しいニホンジンは、母国語にカタカナという特殊な文字を加えることによって、なんのためらいも無く、「西洋文化」を受け入れてきました。 『和魂洋才』 とはまさに、「ひらがな」と「カタカナ」 の関係そのままです。 ほかの国々では絶対にそうは行きません。 韓国などはいい例ですね、民族主義の激しい国は、そう簡単に、外来文化なんか受け付けません、ましてや母国語のなかになんか。 ニホンジンは主体性なんていう厄介な突っ張り棒はずっと前からないんですね、よくも悪くも。 だから日本語で最先端物理学が研究できるようになった。

 ニホンを自慢しているんだか、貶しているんだか判らなくなってしまいましたが、とにかく日本の文化というのは、ものすごい可能性を持っていると思います。 その思想性(無主体性)は、世界共和国の誕生までも可能にするかもしれませんよ。本当に。【M】