■「しょうがない」話ーその弐

ccg2007-07-06

アメリカの、ロバート・ジョセフ特使の、「原爆投下は、数百万の日本人の命を救った」、という発言と、「イラク戦争は結果的に世界に平和をもたらす」、というブッシュの発言は、どこか似ているような気がする。しかし、似ているのは、いずれもアメリカにとって都合がいいということだけであって、実は日本人にとっては、まったく別物だ。
 日本から視れば、ジョセフさんの言う「原爆投下は、数百万の日本人の命を救った」、というのは、ブッシュのイラク発言とは違って、紛れもない事実なのだ。要するに、日本の社会心理の中では、「超」兵器が出現しなければ、「超」権威を引きずり出しての「敗戦宣言」は不可能で、相当期間、本土での戦いが強いられただろうからだ。 日本の官僚システムは、徹底して、縦割り無責任体質で、普通に考えれば、最終防衛ラインと公言していた、サイパンがあっさり陥落した時点で、終戦へのソフトランディングを模索しないといけないのに、責任を押し付けあって、ずるずると戦争を引き延ばしてしまった(サイパン以降の死者は軍、民含めて100万人以上!)。 おそらく、原爆投下がなければ、敗戦の責任問題がうやむやになるまで、つまり、今のイラクのような焦土となるまで、日本は戦いを終えることはできなかったと思う。
 日本人は、ほんとに「しょうがない」のだ。【M】